上映作品

ヒンド・ラジャブの声
  • 近日上映

ヒンド・ラジャブの声

公式サイト
期間
2026年10月30日〜2026年11月17日
作品詳細

2024年1月29日。世界が傍観した”6歳の少女の声”

その”叫び“に懸命に向き合った人たちがいたー 魂が震える[89分]

パレスチナ・ガザ地区から届いた、助けを呼ぶ少女の声——。

世界はそれにどう応答するのか。いかなる暴力でも消し去れない記録が、私たちに問いかける。

2024年1月29日。イスラエルからの攻撃が激化していたパレスチナ・ガザ地区で、7人の市民が乗る車両が占領軍に銃撃される事件が起きた。親族の遺体に囲まれながら、ひとり生き延びた6歳の少女ヒンド・ラジャブは緊急通報の電話で必死に助けを求めたが、その後消息を絶ち、12日後に遺体で発見された。彼女の乗っていた車両には、355発の弾痕が残っていたという。

 

この悲痛な出来事は、ヒンドの通話音声とともにニュースやSNSで瞬く間に拡散され、世界中の人々に大きな衝撃を与えた。その一人が『皮膚を売った男』(20)や『Four Daughters フォー・ドーターズ』(23)でアカデミー賞にノミネートされるなど、国際的な評価を受けるチュニジアの映画監督、カウテール・ベン・ハニア監督である。誰も応えることのできなかったヒンドの「助けて」という叫びに突き動かされた彼女は、ヒンドの声を伝えるべく映画化を決意。パレスチナ赤新月社やヒンドの母親との連絡を取り、徹底したリサーチを重ねた上で、事実に即したかたちで物語を構築していった。

 

物語の舞台となるのは、ヨルダン川西岸地区にある人道支援組織「パレスチナ赤新月社」の緊急通報センター。電話越しに助けを求める幼い少女を救出するため、心を擦り減らしながら奮闘するボランティアスタッフたちの献身的な姿が描かれる。ハニア監督は実際の音声記録や現地の映像を用いながら、パレスチナ人俳優を起用して撮影を行い、現実と映画が渾然一体となった表現で徹底したリアリティを追求。社会派映画の枠にとどまらない、観る者を強く揺さぶる傑作ドキュフィクションが誕生した。

 

第82回ヴェネチア国際映画祭では、同映画祭史上最長となる23分のスタンディングオベーションで迎えられ、銀獅子賞<グランプリ>受賞含む驚異の8冠を達成。その後も世界中の映画祭で賞賛を浴び、第98回アカデミー賞では国際長編映画賞にノミネートを果たした。ブラッド・ピット、ホアキン・フェニックス、ルーニー・マーラ、アルフォンソ・キュアロン、ジョナサン・グレイザー、マイケル・ムーア、スパイク・リーといった錚々たる面々がハニア監督の想いに賛同し、本作のプロデューサーとして名乗りを挙げているほか、多くの映画人たちが本作を賞賛。「今、最も重要な映画だ(ヨルゴス・ランティモス)」、「全人類が観るべき映画にちがいない(ジェシー・バックリー)」、「こんなにも胸が熱くなる作品は長い間観ていない。映画を超越したものである(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)」といった絶賛コメントが寄せられている。

 

2025年10月10日にガザ地区での停戦が発行されてからも、いまだイスラエル軍の攻撃は継続し、軍事支配が進んでいる。ヒンド・ラジャブに起きた悲劇は、現在もガザ地区において決して特別なものではないだろう。だからこそ、世界は彼女の声に耳を澄まさなければならない。必死に生きようとした、あの声に。『ヒンド・ラジャブの声』は、その声に触れた私たちがどう応答するのかを、静かに、そして力強く問いかけている。

2025年/89分/チュニジア、フランス/アラビア語・英語/日本語字幕

監督:カウテール・ベン・ハニア

出演:サジャ・キラニ、モタズ・マルヒース、アメル・フレヘル、クララ・フーリ

エグゼクティブ・プロデューサー:ブラッド・ピット、ホアキン・フェニックス、ルーニー・マーラ、アルフォンソ・キュアロン、ジョナサン・グレイザー、マイケル・ムーア、スパイク・リー
鑑賞予約